築造 昭和34年
改修 令和04年
施主 合同会社カモケンラポ
施工 株式会社シマケン
協働 関商工高校建設工学部
設計 intoRAW イントロ
改修 令和04年
施主 合同会社カモケンラポ
施工 株式会社シマケン
協働 関商工高校建設工学部
設計 intoRAW イントロ
LOCALLY GROWN & CONSUMED
里山文化
「さとやま」という言葉には、 地産地消という概念としての意味があるそうです。
昭和34年に上棟されたこの建物が建つ敷地は約3000坪もあり、 まわりには、 昔住んでいた方が植えられた果樹や生活に必要な規模の畑、竹林で囲まれています。
自然としての里山は、 人が手を入れれば入れるほど良くなっていくそうです。 手を加えられず放置される里山は、 鬱蒼としすぎてしまい鳥獣の栖となったり、 災害の危険があったり・・
昔の方は、 手入れする過程で得られた資源を、建物の材料や生活の道具、 食糧など、 日常に取り入れてきました。
その場で得られる『もの』を、 その場で使う、とても効率的な循環が行われていたそうです。さて、 建築に視点を移すと、 建物をこうしたいという希望をもつ施主がいて、 それを2 Dや3Dに翻訳する設計士がいて、 リアルなものに創り上げていく現場の監督と職人の方々が居り、そのほとんどが周辺の地域で暮らしながら、 その場へ通い仕事を進めていきます。
そして、 どの立場でも、 手をかければかけるほど、 出来上がる「空間」が良くなっていきます。地域の『人』が地域で最大限に力を発揮して、良い空間ができ、 使われていく。
これは立派な「里山文化」だと思います。
特にこの現場は、 家族、 友達、 パー トナ ー、いつもお世話になっている方など、 携わる人同士の距離が近く尊重し合っていること、 皆が大変な思いを乗り越えながら、「いいものを創ろう」ということだけは守る、 最高のチー ムでした。
この建物はどの素材・ 人が欠けても、 違うものになっていた一 品ものです。 これから、 多くの人に活用してもらえる場となることを楽しみにしています。
VIEW WINDOW
建物を利用する方が、 まわりの自然を沢山感じながら過ごせるように、 号色を大きく切り取る窓を設けました。
建具の存在感ができるだけ消えるように、 嵌め殺しの窓も引き戸の窓も同じ大きさ、 意匠となるように大工さん、建具屋さんに工夫して製作いただきました。
建具の存在感ができるだけ消えるように、 嵌め殺しの窓も引き戸の窓も同じ大きさ、 意匠となるように大工さん、建具屋さんに工夫して製作いただきました。
景色を優先して窓周りがシンプルに見えるディテールにしても、「方立て」の部分が必ず見えてきます。
そこで、方建や窓枠など見えてくる部分には敢えて焼き杉の素材を採用して、 魅せる仕様にしました。
現場で杉を炎りながら、 焼き加減を微調整しながら味わいある方立てが完成しました。
そこで、方建や窓枠など見えてくる部分には敢えて焼き杉の素材を採用して、 魅せる仕様にしました。
現場で杉を炎りながら、 焼き加減を微調整しながら味わいある方立てが完成しました。
BAMBOO MOTIF STAINEDGLASS
里山サテライトオフィスには、 竹の柄をモチーフにしたステンドグラスが壁の中に埋めこまれています。 解体時に建具から取り出した昭和の時代ならではの様々な柄の型ガラスをランダムに組み合わせたものです。 地域の作家さんがステンドグラスにし、 大工さんが壁の中に嵌め込み、塗装屋さんが綺麗な丸へと仕上げて完成させてくださいました。
BAMBOO CHIP WALL
広大な敷地内には竹林があり、 元々の民家には建物の下地等、 幾つかの場所に竹が使われていました。 昔の方に学び、 煙たがられがちな竹が、様々な資源になり得ることを感じられるよう、改修のなかでも幾つかの方法で再利用を試みました。
その一つが竹を粉砕してできた竹チップが入った塗り壁です。 何度も試行錯誤して頂き味わいある現代風士壁が生まれました。
その一つが竹を粉砕してできた竹チップが入った塗り壁です。 何度も試行錯誤して頂き味わいある現代風士壁が生まれました。
ORGINAL LIGHT
供用部分の照明は、 既製品ではなく、 電気屋さんの力により、 電線 ・ 金具 ・ 電球それぞれ組み合わせながらできるだけシンプルに製作したオリジナルの照9月です。器具までの配線も出来るだけ隠れるよう何度も調整しながら施工してくださいました。
メインテ ー ブル上の竹ザルの照明も、 高さや大きさ、 数などを現場でシュミレ ーションしながら製作していきました。
メインテ ー ブル上の竹ザルの照明も、 高さや大きさ、 数などを現場でシュミレ ーションしながら製作していきました。
TAKEKOMAI WALL
士壁の下地として使われていた竹が解体ともに現れ、 綺麗な光を通していたことから、 改修のなかでもそのまま残し、「竹が貴源として再利用できることを感じられる壁」としました。 土を落として崩れた部分は、 敷地内で新たに伐採した竹を使って補修しながら化粧として復活させました。
STEL STAIRS
「サテライトオフィス」へと上がっていく階段は、 古い味わいある民家の作りとは対照的に、 現代的なスチールの階段としています。
地域の鉄骨屋さんによりスリムに製作していただいた階段は数名がかかりで人力で設置されたものです。
地域の鉄骨屋さんによりスリムに製作していただいた階段は数名がかかりで人力で設置されたものです。
MUSHIKUI COUNTER
地域の材木屋さんからお手頃に提供いただいたヒノキの虫食いの無垢板。キッチンのカウンターやコワーキングのカウンターとして使っています。
市場では価値が落ちてしまう「虫食い」も、見方を変えれば「味」になります。大工さん、 塗装屋さんの力で存在感あるカウンターが出来上がりました。
市場では価値が落ちてしまう「虫食い」も、見方を変えれば「味」になります。大工さん、 塗装屋さんの力で存在感あるカウンターが出来上がりました。
KITCHEN
豊かな里山空間の中で飲食を楽しめるように、大きなレンタルキッチンのスペースが計画されています。
設置されている巨大なガスコンベクションオーブンは、 施主、 職人さん、 先生、 カメラマン、 設計など全ての人がカ を合わせて撥入したものです。
設置されている巨大なガスコンベクションオーブンは、 施主、 職人さん、 先生、 カメラマン、 設計など全ての人がカ を合わせて撥入したものです。